相続 よくある質問 「相続人について」

目次

 


Q_30養子は実親を相続できるか

 

私は養子にいった者ですが、このたび実母が亡くなりました。私は実母の遺産を相続する事ができるのでしょうか。普通養子と特別養子とでは違うのでしょうか。

A_30普通養子の場合、養子は養子縁組後も、実母の遺産を相続する事ができます。特別養子の場合は、養子は実母の遺産を相続する事はできません。

「養子縁組の効果(普通養子の場合)」

赤青緑小3冊横_79x100 現行民法では、養子について普通養子と特別養子の2種類を認めています。いずれにおいても養子は養子縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得し、また養親及びその親族との間において血族間におけるものと同一の親族関係を生じます。つまり、養子と養親および養子と養親の父母や子といった親族との関係は、実親子関係におけるそれと全く同じものとなるという事です。従って、相続の面でも養子は養親の嫡出子として養親の相続人になります。養親に実子がある場合には、養子はその実子と同一の相続分により養親の相続人となります。

他方で養子は、普通養子の場合には養子縁組によっても実親および実方の親族との関係には全く影響が及びません。つまり養子にいっても、養子は実親と実の親子関係にあり、実親の親族との間も従来通りの親族関係が続くという事です。従って養子は、実親が死亡したり、実親の関係の親族が死亡した時には、従来通りの関係により相続人となります。ご質問の場合も、普通養子の場合は、あなたは実母の相続人になります。実母に他の実子や養子がいれば、それらの子と均等の相続分により相続します。その結果、養子は実親の関係でも、養親の関係でも相続人となり、いわゆる二重の相続権をもつ事になります。この事は逆に、養子が死亡した場合には、養親と実親が頭割りにより均等に相続権をもつ事を意味します。

「特別養子の場合」

ピンク2冊_179x100 以上とは異なり、特別養子の場合は、特別養子縁組が成立する事により、養子と実親、実方の親族との関係は原則として終了してしまいます。
特別養子縁組は、昭和63年1月1日より認められる事になったもので、いわゆる藁の上から養子を認め、養子と実親との関係を断つ事により、養子と養親との関係を実親子関係にできるかぎり近づけようとしたものです。
特別養子は家庭裁判所の審判により成立します。特別養子になると、実親および実親の親族との関係は、近親者どうしでは婚姻できないという関係以外の面では消滅してしまいます。従って、特別養子の場合、養子が実親や実方の親族の相続人となる事はできません。ご質問の例で、養子にいったというのが特別養子であれば、あなたは実母の相続人となる事はできません。

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Q_30相続人の一人が行方不明のときは

 

母が亡くなり姉と私と妹が相続人になりましたが、妹は数年前から行方不明になっています。どのようにして遺産分割の手続きを進めたらいいでしょうか。

A_30妹が行方不明になってから、普通の場合には7年が、危機に遭って行方不明になった場合には1年がそれぞれ経過している場合においては、失踪宣告を得て妹は死亡したものとみなす事ができます。そうでない場合は、妹の為に家庭裁判所で不在者財産管理人の選任をしてもらって、この管理人と遺産分割協議を進める事になります。

「不在者財産管理人の選任」

5冊建て積み_95x100 ある人が亡くなり、相続人となる者が数人いる場合には、相続人全員が参加して遺産分割手続きを行う事になります。相続人の1人が行方不明であるからといって、その者を除外して遺産分割をする事はできません。
そこで、相続人の中に従来の住所や実際に住居としていた所を去って行方が知れない者(この者を不在者といいます。)がいる場合、他の相続人はこの不在者の利害関係人として、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任の申立てをする事ができます。裁判所に選任された不在者財産管理人は、不在者に代わって不在者の財産を管理を行いますので、他の相続人はこの管理人と遺産分割協議を進める事ができます。
ただし、管理人は不在者の財産を管理する事は当然にできますが、その財産を処分する事は家庭裁判所の許可を得て行う事になっています。そして遺産分割は、不在者の財産を処分する行為になりますから、管理人が遺産分割協議を成立させたり、遺産分割の調停を成立させる時、あるいは遺産分割の調停や審判を申し立てる時には、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
許可を得る遺産分割の内容としては、不在者の相続分に見合う何らかの遺産を不在者が取得する事が多いでしょう。しかし、中には不在者が生前贈与をうけている場合や、不在者の生存の可能性が低い場合には、不在者の取得分をゼロとする遺産分割が許可される事もあります。また、遺産を取得する相続人が、不在者が生存している事がわかった時に、不在者に対して債務を負担する方法による遺産分割が許可される事もあります。

「失踪宣告による場合」

ピンク2冊_179x100 不在者の行方不明が長期におよぶ場合、この不在者について失踪宣告をうけて、この者を死亡した者とみなす方法があります。
失踪宣告には、普通失踪と特別失踪の2つの場合があります。普通失踪は、行方不明になってから7年間生死が不明の場合、特別失踪は、戦地に臨んだ者については戦争が終わった後、沈没した船中にいた者については沈没後、その他生命の危険のある危難に遭った者についてはその危難が去った後、それぞれ1年間生死が不明な場合をいいます。家庭裁判所が失踪宣告をすると、普通失踪の場合は7年間の失踪期間の満了したときに死亡したものとみなされます。特別失踪の場合は危難が去った時に死亡したものとみなされます。
ご質問の場合にも、妹が行方不明になって7年間経過している場合、あるいは妹が危難に遭ってから1年間経過している場合には、相続人であるあなたか姉が利害関係人として家庭裁判所に失踪宣告の申立てをするといいでしょう。失踪宣告がなされると妹は死亡したものとみなされ、母の相続に関しても上記の死亡時点で死亡したものとして扱われます。したがって妹に夫も子どももいなければ、あなたと姉とで遺産分割をする事ができます。

「失踪宣告の取消し」

横本入れ_118x100 不在者について失踪宣告がなされ死亡したものとみなされた場合において、後にその者が生存している事がわかった場合には、失踪宣告は取り消されます。この場合それ以前に遺産分割が終わっていた時は、失踪宣告をうけた者の生存を知らなかった相続人は、遺産分割で取得した遺産のうち残っている財産を返せば足ります。しかし生存を知っていた相続人に対する関係では遺産分割は無効になってしまい、その相続人は取得した遺産を全部返した上で、遺産分割をやり直す必要がでてきます。

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Q_30素行の悪い息子に相続させないようにするには

 

私の次男は高校生の頃から非行に走り、30歳になった現在も定職につかずに家出を繰り返しており、私の店の金を持ち出したり、私や私の夫、長男に暴力をふるう事も度々ある始末です。私の財産を次男に相続させない様にする方法があるのでしょうか。

A_30 次男に相続させない様にする方法としては、次男に対し相続人廃除の手続きをとるか、財産を次男以外の相続人に相続させる遺言を残す方法があります。しかし後者の場合は、次男から遺留分の取戻しを求められる可能性があります。

「相続人廃除の制度」

赤橙青3冊_91x100相続人になるのは、被相続人との間に一定の身分関係がある者です。この身分関係が婚姻や養子縁組によるものである場合には、離婚や離縁によって身分関係を消滅させ、その結果相続人の地位も失わせる事ができます。しかし実親子関係にあっては、現行民法では身分関係そのものを失わせる事はできません。現行民法では、親子の関係はそのままにして、相続権だけを剥奪する相続人廃除の制度があります。相続人廃除というのは、相続される立場にある人、すなわち被相続人が、家庭裁判所に申し立てて家庭裁判所の審判を得て、相続人を相続関係から除外する事です。相続人を廃除するには、子が親を虐待するとか、重大な侮辱を加えたとか、その他著しい非行がある事が必要です。また、相続人廃除は被相続人が遺言でする事もできます。この場合には、遺言執行者が家庭裁判所に相続人の廃除を申し立てて審判をうける事になります。遺言中に遺言執行者が指定されていない時には、相続人その他の利害関係人が家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをします。尚、いずれの場合も、廃除を求める事ができる相続人は、遺留分を有する相続人にかぎられます。遺留分を有していない相続人に対しては、後に述べる様に、その者になにも相続させない内容の遺言をのこす事によって目的を達する事ができるからです。

「相続人廃除事由の判断基準」

縦本入れ_79x100 相続人の廃除が認められる為には、被相続人に対する虐待または重大な侮辱、その他の著しい非行という廃除事由が存在する必要があります。これらの事由が存在するか否かの判断は家庭裁判所が審判により行います。
虐待というのは、被相続人の肉体や精神に苦痛を与える事をいい、重大な侮辱とは、被相続人の名誉や自尊心を著しく害する事をいいます。また、著しい非行とは、虐待や侮辱と同じ程度の非行でなければなりません。いずれも廃除は、相続人の相続権を完全に剥奪してしまう効力を有しますから、現在の社会常識から見て、かなりひどいと思われる程度の事由がなければなりません。その意味で、一時的な激情によるものではないか、被相続人がするべき事をしなかったり、むしろ挑発したりした事はないか、被相続人にも責任の一半があるのではないか、といった事情を慎重に判断すべきであるとされています。少年期の一時的な非行にすぎない場合や、親の意に沿わない結婚をしたにすぎないような場合には、廃除事由があるとは認められません。
ご質問の場合においても、次男の非行、暴力の程度がひどく、かつ継続的なものであって、しかも次男に改俊の情も認められない様な場合にかぎり廃除が認められるでしょう。

「遺言による方法」

赤見開き縦_110x100遺言によって財産を他の相続人に相続させる事にして、次男の取得分を0とする事もできます。しかし、この場合、次男は遺留分にもとづいて、被相続人の死亡後に他の相続人に対し遺留分減殺請求をして、遺留分にあたる分を取り戻す事ができます。そうなると、次男に相続させないという目的は達成できなくなります。この遺言による方法は、遺留分を有していない相続人、例えば兄弟姉妹といった相続人に対して相続させない様にする方法としては有効なものになります。

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Q_30相続人が誰もいない時は

 

私の家を借りていた一人暮しのお年寄りが亡くなりました。身寄りがない方の様子なので私の方で葬式を出しました。また電気代などの光熱費や病院の費用も私が立て替えており、家賃数か月分も未払いのままになっています。私はこれらの立替金や家賃をお年寄りが残した預金を引き出した中からもらっていいでしょうか。

A_30 お年寄りが死亡して相続を開始したが、相続人がいるのかいないのかはっきりしない場合を相続人不存在の場合といいます。この場合、お年寄りに対して立替金などの債権をもっているあなたのような立場の人も、勝手にお年寄りの預金を引き出す事はできません。家庭裁判所により選任された相続財産管理人が預金などのお年寄りの財産を管理し、相続人をさがし、財産を清算する手続きを行い、その手続きの中であなたは立替金などの支払いをうける事ができます。

「相続人不存在の場合の手続き」

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相続人不存在の場合には、利害関係人または検察官の申立てによって、家庭裁判所は相続財産管理人を選任します。ご質問のあなたの場合は、死亡したお年寄りに対する債権者として利害関係人にあたりますから、この申立てをする事ができます。その後の手続きは次のように進みます。
① 家庭裁判所は相続財産管理人の選任を官報に公告し、その後2か月以内に相続人が現れなかった時は、管理人が清算手続きに入ります。
② 管理人は少なくとも2か月以上の期間をきめて、亡くなった人の債権者や受遺者(遺言で財産をもらった人)に請求の申出をするよう官報に公告し、またすでに分かっている債権者や受遺者に対して通知をします。
債権者であるあなたとしては、この段階でお年寄りに対する債権(葬式費用、光熱費、病院の費用などの立替金、未払家賃)を管理人に申し出る事が必要です。

管理人は、預金のような遺産の中から債権者に支払いをします。あなた以外にも債権者がおり、全ての債権額が遺産の価額を上まわる時は債権額に按分して支払われます。また、遺産の中に土地、建物や道具類がある時は、管理人はこれらの遺産を競売して現金化した上で、債権者に支払います。こういった遺産の管理や処分は全て管理人が行いますので、債権者であるあなたが自ら行う事はできません。

「相続人不存在の確定」

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前述の二度にわたる公告によっても相続人のある事が明らかにならない時は、家庭裁判所は6か月以上の期間を定めて最後の相続人捜索の公告をします。この期間内に相続人が現れませんと、相続人不存在が確定する事になります。
相続人不存在が確定すると、相続人や債権者、受遺者はもはやその権利を主張する事はできなくなります。あなたとしてはおそくともこの時期までに管理人に債権の申出をする必要があります。

「特別縁故者」

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相続人不存在確定後3か月以内に、亡くなった人と生計を同じくしていた者、亡くなった人の療養看護に努めた者その他の特別縁故者は、家庭裁判所に遺産の全部もしくは一部をもらう事(これを分与といいます。)を申し立てる事ができます。この分与がなされず、または一部の分与のみがなされて遺産が残った時は、その遺産は国のものになります。ご質問のあなたの場合は、光熱費や入院費用を短期間たてかえたにすぎませんから、特別縁故者とは認められないでしょう。

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Q_30遺言書を隠した者の相続権はどうなるか

 

私は姉と2人兄弟です。私たちの母は、古くから飲食店を営んでいましたが、最近亡くなりました。姉は、飲食店の商売を継ぐ事を嫌い家を出ていましたので、私が母と一緒に飲食店の商売をしてきました。母は、普段から私に後を継ぐようにと言い、遺言を書いて父に預けていたようですが、母の死後、姉が父から遺言書を取り上げ、どこかに隠してしまいました。私は、姉を相続人と認めて、母の遺産の分割方法について協議しなければならないでしょうか。

A_30 姉が亡母の遺言書を隠匿する行為は相続欠格事由に該当すると考えられますから、相続人から排除される事になります。あなたは姉を除いて遺産を分割協議をする事ができます。

「相続欠格制度」

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ご質問では、相続人の1人である姉が被相続人の遺言書を隠した場合に相続欠格事由に該当するのではないかという事が問題になります。相続欠格制度とは、相続人に民法で定める相続欠格事由がある場合に、その相続人から法律上当然に相続権を剥奪する制度です。民法は相続欠格事由として次の事由を挙げています。

① 相続人または自分より先順位もしくは同順位にある相続人を殺し、または殺そうとした為刑に処せられた場合
② 相続人が殺された事を知りながら、これを告訴・告発しなかった場合
③ 欺または強迫によって、被相続人が遺言しようとするのを、または取り消そうとするのを、もしくは変更しようとするのを妨げた場合
④ 詐欺または強迫によって被相続人に遺言をさせ、または遺言を取り消させ、もしくはこれを変更させた場合
⑤ 相続人の遺言書を偽造したり、変造したり、破棄したり、隠匿した場合

このような相続欠格事由が定められている趣旨は、相続は、被相続人と相続人の間の家族的な協同関係を基礎とする制度であるところ、かかる関係を破壊するような相続人に相続権を認める必要はないというところに求められます。このような相続人から相続権を剥奪する事が、一般的な法感情にかなうという事です。
この相続欠格事由は、民法に列挙されたものにかぎられます。したがって、列挙された事由に該当しない程度の相続人に対する仕打ちをした相続人は、相続欠格者にはなりません。

「遺言行為に対する違法な干渉行行為」

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前述の相続欠格事由の③、④、⑤は、遺言行為に対する違法な干渉行為と考えられるものです。これらの欠格事由で問題となる遺言は、被相続人の相続に関する遺言にかぎられます。すなわち、相続分の指定、遺産分割方法の指定、遺贈、認知などを内容とする遺言にかぎられ、これ以外の例えば、後見人の指定や祭祀承継者の指定などを内容とする遺言は関係がありません。また、偽造、変造、破棄または隠匿の対象となる遺言は、有効に成立しているものにかぎられます。
ところで、遺言書を隠匿する事が相続欠格事由に該当するという為には、遺言書を隠匿する故意がある事で足りるか、遺言書の隠匿によって、自己の相続上の地位を有利にし、もしくは、不利になるのを妨げようとする意思、すなわち利得意思がある事を要するかについて争いがあります。多数説は、利得意思を要するものとしています。
ご質問の場合において、姉が父から取り上げた遺言書が方式の点も含めて有効な相続に関する遺言である場合、姉には自己の相続上の地位を有利にする意思もあると認められますから、姉には相続欠格事由があるものと認められます。したがって、あなたは、姉を相続欠格者として相続人から排除して遺産分割協議をする事が可能であると考えられます。

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Q_30相続人がすでに死んでいるときの相続は

 

私は妻と婚姻し、一男一女がありますが、妻は数年前に亡くなりました。このたび、妻の母が亡くなりその相続が問題になっていますが、私や子どもたちは相続人になる事ができるのでしょうか。

A_30 あなたは相続人になる事はできません。あなたと亡妻との間の2人の子は、亡妻が相続するはずであった相続分を、それぞれ2分の1の割合で代襲相続する事ができます。

「代襲相続とは何か」
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民法はある人が死亡した時にその相続人となる者として、配偶者(夫または妻)の他に
① 第一順位の相続人として被相続人の子
② 第二位の相続人として被相続人の直系尊属(被相続人の父母、祖父母など)
③ 第三順位の相続人として被相続人の兄弟姉妹
を定めています。そしてこれらの相続人のうち、①の被相続人の子と③の被相続人の兄弟姉妹については、被相続人が亡くなるより前にこれらの相続人が亡くなった場合に、その相続人の直系卑属が相続人となる事が認められています。これを代襲相続といいます。
代襲相続は、本来相続人となるべき子や兄弟姉妹が、相続欠格者である時や、廃除されて相続資格を失った時にも、認められています。しかし、本来相続人となるべき子や兄弟姉妹が相続放棄をした時は、代襲相続は認められていません。
ご質問の場合、子が母より先に亡くなった場合ですから、孫(あなたと妻との間の子)は代襲相続できますが、子の配偶者であるあなたは相続人となる事はできません。代襲相続制度は、本来なら順当な相続人となるべき子や兄弟姉妹がたまたま相続権を失った場合に、もし相続していたらこれらの者の直系卑属がこれを承継できたであろうという期待を保護し、公平を図る制度という事ができます。

「代襲相続の要件」

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代襲相続できる場合は、本来の相続人である子や兄弟姉妹が、先に死亡したり、欠格や廃除により相続権を失った場合にかぎられる事は先に述べました。この他に、次の様な点に気をつける必要があります。
まず、本来なら子が相続する場合に子について先に死亡するなどの代襲原因がある時は、子の子、すなわち孫が代襲相続し、更に、その孫について代襲原因がある時は孫の子(被相続人の曽孫)が代襲相続します。この二番目の代襲相続は、再代襲といわれています。これに対して、兄弟姉妹の代襲相続については、再代襲は認められていません。つまり、兄弟姉妹の子であるおい、めいは代襲相続できますが、おい、めいの子は代襲相続できない事になります。
また、本来の相続人である子について代襲原因がある時に代襲する事ができる者は、被相続人の直系卑属にかぎられます。この事は、被代襲者である子が被相続人の実子である場合は、被代襲者の子はすべて被相続人の直系卑属になりますから、問題にはなりません。しかし、子が被相続人の養子である場合には、養子縁組前の養子の子は被相続人の直系卑属にはなりませんから、代襲相続をする事はできません。
ご質問の場合、仮にあなたの妻がその母の養子であり、養子縁組前にあなたと妻の間の子が出生したのであれば、あなたの子は代襲相続できない事になります。ただし、夫であるあなたが妻とともに養子縁組をしている場合には、夫には養子としての相続権があります。

「代襲相続の相続分」

橙薄い1冊_170x100 代襲相続が起こると、代襲者はその被代襲者がうけるはずであった相続分を承継する事になっています。つまり、頭分けで相続するのではなく、株分けで相続する事になっています。ご質問の場合、あなたの妻がうけるはずであった相続分を、あなたの子2人が2分の1ずつ承継する事になります。

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Q_30内縁の夫は相続できるか

 

私には長年つれそった妻がいますが、入籍はしていません。もし妻が亡くなった時は、私は妻の財産を相続する事ができるでしょうか。

A_30 婚姻届けをしていない内縁の夫(もしくは妻)には相続権はありません。但し、他に相続人がいない場合にかぎり、特別縁故者として遺産の分与をうける事ができます。

「内縁の夫の相続権」
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民法は、法律婚主義、すなわち戸籍の届出をする事を婚姻の成立要件とする制度を採用しています。したがって実質的には夫婦として生活をしている男女であっても婚姻の届出をしていない場合は、法律上は夫婦として認められない事になります。このような男女の関係を内縁といいます。
内縁については、婚姻に準じた関係として、できるかぎり婚姻と同様の効果が認められています。つまり、婚姻の効果のうち、夫婦の共同生活を前提として認められる効果や第三者に影響のない効果は、内縁にも認められるべきであるとされています。
例えば、夫婦の同居、協力、扶助の義務、婚姻費用の分担といった効果です。しかし、婚姻の届出を前提とする効果や第三者に影響のある効果は、内縁には認められません。このような効果の1つとして、配偶者の相続権があります。つまり、内縁の妻には相続権はない事になります。
このように内縁の夫(あるいは妻)には相続権がありませんので、妻(あるいは夫)が死亡したときに妻(あるいは夫)の財産を相続する事はできません。入籍できない事情があれば、互いに遺言をのこす、あるいは生前贈与を行う事により対処するほかありません。この場合、法定相続人があれぱ、その遺留分を取り戻される事も覚悟する必要があります。

「各種法令による内縁の保護」
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労災保険や退職金に関する法令や規程の中には、内縁の配偶者にも受給権を認めた規定があります。例えば、労災保険法では、遺族補償年金をうける事ができる遺族の範囲に関して、内縁の夫(あるいは妻)であっても遺族補償年金が支給される事になっています。勤務先の退職金規程においても、内縁関係にある者を含む配偶者を受給権者とする例が少なからずみられます。これらは、内縁の配偶者に相続権のない事を前提に、相続とは関係のないところで内縁配偶者の保護を図るものといえます。

「特別縁故者に対する財産分与」
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昭和37年の民法改正により、特別縁故者への財産分与の制度が新設されました。この制度新設の理由の1つとして、内縁配偶者の保護の問題があったとされています。特別縁故者への財産分与というのは、相続人がいない場合にかぎり、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者に、家庭裁判所の手続きにより遺産の全部または一部を分与するものです。内縁の配偶者は被相続人と生計を同じくしていた者にあたると思われますが、この制度は相続人がいる場合は適用されません。死亡した被相続人に、戸籍上の配偶者がいる場合はもちろん、父母や兄弟姉妹などの相続人がいる場合には、内縁の配偶者は特別縁故者としての保護をうける事はできない訳です。
また借地借家法36条は、内縁の配偶者が建物の賃借人の地位を承継する事を認めていますが、これも相続人のいない場合にかぎられます。

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